「諸悪莫作ときこえるのが仏正法である。」「古仏いわく、「諸悪莫作、修善奉行、自淨其意、是諸仏教」(もろもろの悪を作すことなく、もろもろの善を奉行して、みずからその意を淨む、これもろもろの仏の教えなり)と。これは七仏に通ずる教戒として、前仏より後仏へと正伝し、後仏は前仏より相嗣ぎきたったものである。だが、それは、ひとり七仏のみならず、また、もろもろの仏の教えである。その道理をよく思い究めるがよい。いうところの七仏のおしえは、かならずそれぞれの七仏のそれとおなじである。相伝し相嗣するがゆえにかくなるのである。だがすでに、「これもろもろの仏の教えなり」とある。また百千万の仏たちの教であり、行であり、証なのである。」(正法眼蔵・諸悪莫作)

原文「古仏云、諸悪莫作、衆善奉行、自淨其意、是諸仏教。これ七仏祖宗の通戒として、前仏より後仏に正伝す、後仏は前仏に相嗣せり。ただ七仏