「しかあるに、仏の最高の智慧を学ぼうとして、教えを聞き、修行を重ね、証にいたることは、まことに深にして遠にかつ妙である。その最高の智慧を、あるいは善知識にしたがって聞き、あるいは経巻によって学に、はじめはただ諸悪莫作、つまりもろもろの悪を作すことなかれとのみ聞こえるものである。そう聞こえないのは、仏の正法ではなく、魔説なのであろう。されば、諸悪莫作ときこえるのが、それが仏の正法てあると知るがよいのである。」(道元:正法眼蔵・諸悪莫作)
原文「しかあるに、阿耨多羅三藐三菩提を学するに、聞教し、修行し、証果するに、深なり、遠なり、妙なり。この無上菩提を或従知識してきき、或従経巻してきく。はじめは、諸悪莫作ときこゆるなり。諸悪莫作ときこえざるは、仏正法にあらず。魔説なるべし。しるべし、諸悪莫作ときこゆる。これ仏正法なり。」
「人道は盈を悪みて謙を好む」(易経)-何事も謙虚が大切-