「道林禅師と白楽天の会話」「唐の白居易〔白楽天)は、仏光如満禅師在俗の弟子であって、江西大寂禅師の孫弟子にあたる。杭州の長官であったころ、鳥窠の道林禅師に参じた。その時、居易は問うていった。「いかなるかこれ仏法の大意」道林が答えていった。「もろもろの悪は作すことなく、もろもろの善を奉行することじゃ」居易がいった。「そんなことなら、三歳の童子でっていえよう」道林がいった。「たとい三歳の童子がいい得ようとも、八十の老翁も行じえまい」そういうと、居易は拝謝して去った。」

原文「唐の白居易は、仏光如満禅師の俗弟子なり。江西大寂禅師の孫子なり。杭州の刺史にありしてき、鳥窠の道林禅師に参じき。ちなみに居易といふ、「如何是仏法の大意」道林いはく、「諸悪莫作、衆善奉行」居易いはく、「もし恁麼にてあらんは、三歳の孩児も道得ならん」道林いはく、「三歳孩児縦道得、八十老翁不得なり」恁麼いふに、居易すなはち拝謝してさる。」