「仏衣の功徳」袈裟は昔より解脱服と称せられる。業のさわりや煩悩のさわりなどもみな解脱することをうるからである。龍はその一片をも得れば三熱をまぬかれるといい、牛はその角をもって触るれば、罪おのずから消えるという。もろもろの仏は、その成道にあたってかならず袈裟を着けた。よってその功徳の最高・最尊なることを知るべきである。」(道元:正法眼蔵・袈裟功徳)

原文「袈裟はふるくより解脱服と称す。業障・煩悩障・報障等、みな解脱すべきなり。龍もし一縷をうれば、三熱をまぬかる。牛もし一角をふるれば、その罪おのづから消滅す。諸仏成道のとき、かならず袈裟を著す。しるべし、最尊最上の功徳なりといふこと。」