「釈迦牟尼仏が摩訶迦葉に、正法眼蔵・無上菩提を付属したもうた時には、仏正伝の袈裟とともに伝授したのである。。それが嫡子より嫡子へと相承されて、曹谿山の大鑑禅師にいたって三十三代である。その材料も色彩も寸法もしたしく伝えられた。それからのちは青原・南嶽の二系に分かれたが、その門流はなお、したしく衣法を伝え来たり、よく先仏の法によって製してきた。さらにまた、洗濯の仕方や、受持の仕方も、その嫡子面授の奥堂にまなばばねば、知ることができないのである。」(道元:正法眼蔵・袈裟功徳)

原文「釈迦牟尼如来、正法眼蔵・無上菩提を摩訶迦葉に附授しましますに、迦葉、仏正伝の袈裟とともに伝授しまします。嫡嫡相承して曹谿山大鑑禅師にいたる。三十三代なり。その体色量親伝せり。それよりのち、青原・南嶽の法系、したしく伝法しきたり、祖宗の法を塔し、祖宗の法を制す。浣洗の法、および受持の法、その嫡嫡面授の堂奥に参学せざれば、しらざるところなり。」

塔とはかける。法衣を着用すること。