「また大徳よ、わたしが成仏してより後は、もろもろの天・龍・鬼神・人および非人にして、欲袈裟を着くる者を恭敬し、供養し、尊重し、讃歎することあらば、その者はもしその袈裟の一片をも得れば、たちまち三乗のなかにおいて不退転となることを得るでありまょう。また、衆生ありて飢餓にせめられ、あるいは、貧窮の鬼神、下賤の諸人、乃至餓鬼の衆生ありて、もし袈裟の小片乃至四寸ほどの部分を得れば、たちまち飲食たりて、その願うところを速やかに成就することを得るでありましょう。」(道元:正法眼蔵・袈裟功徳)

原文「世尊、我成仏、已来、諸天竜・鬼神・人及非人、若能於此著袈裟者、恭敬供養し、尊重讃歎。其人若得見此袈裟少分、則得不退中。若有衆生、為飢渇所逼、若貧窮鬼神、下賤諸人、乃至餓鬼衆生、若得袈裟少分、乃至四寸、即得飲食充足。随其所願、疾得成就。」