「袈裟の縫い方」「袈裟を裁縫するには、割載衣・揲葉衣・摂葉衣および政縵衣などの作法がある。ある。その得たるたる布にしたがって、いずれかの作法によるがよい。仏は「三世諸仏の袈裟はかならず刺在子である」といった。また、その袈裟の布をうるには、欲望のけがれを離れたものがよいとする。いうところの糞掃衣がもっともよいのである。三世の諸仏はみなそれを清浄とするのである。そのほかにも、信心の施主がほどこすところの衣もまた清浄である。あるいは、浄財をもって市で買うのもまた清浄であるとする。また袈裟をつくるには日限のさだめもあるが、いまは末法にして徳うすい時世であるから、信心のもよおすままに、裁縫をまって受けるよるより他はあるまい。」(道元:正法眼蔵・袈裟功徳)
原文「袈裟を裁縫するに、割載衣あり、摂葉衣あり、縵衣あり。さもにこれ作法なり。その所得にしたがって受持すべし。仏言、三世仏袈裟、必定却刺。その衣財をえんこと、また清浄を善なりとす。いはゆる糞掃衣を最上清浄とす。三世の諸仏、ともにこれを清浄としまします。そのほか、信心檀那の所施の衣、また清浄なり。あるいは浄罪をもていちにしてかふ、また清浄なり。作衣の日限ありといへども、いま末法澆季なり。遠方辺那なり。信心のもよほすところ、裁縫をえて受持せんにはしかじ。」