「仏衣の種類3」仏祖が正伝する仏のおしえは、仏衣の種類についてあるいは師次のようにしめされている。九条衣(三長一短 あるいは四長一短) 十一条衣(三長一短あるいは四長一短)十三条衣(三長一短あるいは四長一短)十三条衣(三長一短あるいは四長一短)十五条衣(三長一短) 十七条衣(三長一短) 十九条衣( 三長一短)二十一条衣(四長一短) 二十三条衣(四長一短) 二十五条衣(四長一短) 二百五十条(四長一短)八万四千条衣(八長一短) いまは略して挙げたのであった、このほかにもなお、いろいろの仏衣があるが、いずれも僧伽梨枝すなわち上衣であろう。家にあるときにも受持し、また外に赴くときにも受持する。受持するというのは着用することである。ただ畳んでもっているのではない。たとい鬚髪を剃るっても袈裟を着用せず、袈裟をいとい、袈裟を遠ざけるのは、天魔・外道というものである。百丈禅師は、宿世の善根なきものは袈裟をきらい、袈裟をいとうが、それは正法をいとい怖れるのだと仰せであった。」

原文「嫡嫡正伝する仏訓にいはくは、九条衣(三長一短 あるいは四長一短) 十一条衣(三長一短あるいは四長一短)十三条衣(三長一短あるいは四長一短)十三条衣(三長一短あるいは四長一短)十五条衣(三長一短) 十七条衣(三長一短) 十九条衣( 三長一短)二十一条衣(四長一短) 二十三条衣(四長一短) 二十五条衣(四長一短) 二百五十条(四長一短)八万四千条衣(八長一短) いまは略して挙するなり。このほか諸般の袈裟あるなり。ともに僧伽梨枝なるべし。あるいは在家にしても受持し、あるいは出家にしても受持す.受持するといふは、著用するなり、いたづらにたたみもちたらんずるにあらざるなり。たとひかみひげをそれども、袈裟を受持せず、袈裟をにくみいとひ、袈裟をおそるるは天魔外道なり。百丈大智禅師いはく、宿殖の善種なきものは、袈裟をいむなり、袈裟をいとふなり、正法をおそれいとふなり。」