「また、「石女はよる児を生む」の句は、石女の児を生むとはき夜だといっておる。いったい世には男石があり、女石がふり、そのいずれでもない石もある。それらを天に配し地に配して天石といい地石という。俗間にいうところであるが、余り人の知らないところである。それが児を生むということはどういうことか、その道理を知らなければならない。児を生むということは、親と子とがならび生ずるのであるか児の親となる子を生むこととのみ思ってよいのであろうか。また親の児となるとき、はじめて子を生むという意味が成るのではないか。そこを徹底して思いめぐらしてみるがよい。」(道元:正法眼蔵)
原文「石女夜生児は、石女の生児するときを夜といふ。おほよそ、男石女石あり、非男女石あり。これよく天を補し、地を補す。天石あり、地石あり。俗のいふところなりといへども、人のるところまれなり。生児の道理しるべし。生児のときは、親子並化するか、児の親となるを、生児現成と参学するのみならんや、親の児となるときを、生児現成の修証なりと参学すべし。」

