「最上無為の妙術は端坐参禅なり3」「だがわたしは、大宗国におもむいて、善知識を浙江(せっこう)両路に訪れ、いわゆる五門についてその家風を聴いたが、ついに太白山の如淨禅師に参じて、一生参学の大事はそれで終わった。それからのち、大宗の年号でいえば紹定(しょうてい)のはじめにわが国に帰ってきた。むろん、法をひろめ衆生を救 わんことをわが念願として、あたかも重き荷物をわが肩にになうがごとき思いであった。」(道元:正法眼蔵)

原文「予、かさねて大宗国におもむき、知識を両浙(りようせち)にとぶらひ、家風を五門にきく。つひに太白峯(たいはくほう)の淨禅師に参じて、一生の大事ここにをはりぬ。それよりのち、大宗紹定のはじめ、本郷にかへりし。すなはち弘法救生(くほうぐしょう)をおもひとせり、なほ重担ををかたにおけるがごとし。」

五門にきく:五家(方眼・潙仰・曹洞・雲門・臨済の五宗)の家風を聴くということ。太白峯(たいはくほう)の淨禅師:太白名山天童景徳寺の如淨禅師。