坐禅のときは、袈裟をかけるがよい。また蒲団をしくがよい。蒲団は坐の全体にしくのではない。組んだ足のなかばからうしろにしくのである。かさねた足のしたがしきものに触れ、脊骨のしたが蒲団という具合になる。それが仏たち祖の坐禅のときの坐りかたである。その坐りかたには、半跏趺坐があり、結跏趺坐がある。結跏趺坐は、右の足を左の腿のうえにおき、左の足を右の腿のうえにおくのである。足のさきは、それぞれ腿とひとしく、でたりひっこんだりしてはいけない。半跏趺坐は、ただ左の足を右の腿のうえにおくだけである。袈裟や僧衣はゆるやかに着けて、ぴたりと調えるがよい。右手は左足のうえにおき、左手は右手のうえにおく。両手の拇指のさきは、相ささえる。両手をそのようにして、心体に近づけておくのである。両手の拇指が出会ったさきを、臍のまえにおくがよいのである。」(道元:正法眼蔵)

原文「坐禅のとき、袈裟をかくべし、蒲団をしくべし、蒲団は全跏にしくにはあらず、跏趺の半よりはうしろにしくなり。しかあれば、累足のしたは坐褥にあたれり、脊骨のしたは坐褥にあたりにあたれり、脊骨のしたは蒲団にてあるなり。仏仏祖祖の坐禅のとき坐する法なり。あるいは半跏趺坐し、あるいは結跏趺坐す。結跏趺坐は、みぎのあしをひだりのももの上におく、ひだりの足をみぎのもものうへにおく。あしのさき、おのおのももとひとしくずし。参差(しんさ)なることをえざれ。半跏趺坐は、ただ左の足を右のもものうへにおくのみなり。衣衫(えさん)を寬繋(かんけ)して斉整ならしむべし。右手を左足のうへにおく、左手を右手のうへにおく。ふたつのおほゆびさきあひささふ。両手かくのごとくして身にちかづけておくなり。ふたつのおほゆびのさしあはせたるさきを、ほそ対しておくべし。」