「念経僧」「それによっても、仏道に念経僧なるものあることが知られる。それは僧谿古仏の直々に名づけるところである。その念経僧の念とは、有念・無念などのことではない。有をも無をもともに計らわないのである。ただ「劫より劫にいたるも、手に巻をおくことなく、昼より夜にいたって念ぜぬ時とてはない」だけのことである。さらにいわば、経より経にいたって、経ならざるはないというのみである。」(道元:正法眼蔵・看経)

原文「しるべし、仏道に念経僧あることを。曹谿古仏の直指なり。この念経僧の念は、有念無念等にあらず、有無倶不計なり。ただそれ、従劫至劫手不釈巻、従昼至夜無不念時なるのみなり、従経至経無不経なるのみなり。」