「弘道和尚の看経」「薬山の弘道大師は、つねづね、人に経を看ることを許さなかった。しかかるに、ある日のこと、自ら経巻を取って看ていた。そこで一人の僧が問うた。「和尚はつねづね、人に看経を許さないのに、いまご自分で看ておられるのは、どういう訳でありましょうや」師はいった。「わしはただ眼を遮るものがほしいのだ」僧はいった。「それがしも和尚をまねてよろしいでしょうか」 師はいった。なんじがもし経を看るならば、牛革もまた穴をあけてしまうだろうよ」(道元:正法眼蔵・看経)

原文「嚢祖薬山弘道大師、尋常不許人看経。一日将経自看。因僧問、「和尚尋常不許人看経、為甚麼却自看」師云「我只要遮眼」僧云、「某甲学和尚得麼」師云「儞若看、牛革也須穿」」(道元:正法眼蔵・看経)

「遮眼」眼を遮るの意。だが眼を作江木4ことが、いかなる意味をもつかは、どういう意か。よくよくまなばなければならない。」