看経の作法2「そこで施主は、僧堂の中央前面の聖僧の像にいたって、一片の香を焼いて三拝する。拝するあいだは、手炉を持ちながら拝するのである。その間、知客は施主の北にあり、面を南にして、やや施主に向かって叉手して立つ。施主は三拝をおわると、右に向きをかえて、住持に向かい手炉をささげて、身を屈して礼をなす。住持は椅子にかけたまま、経をささげて、合掌して礼を受ける。つぎに施主は、北に向かって礼をなす。礼がおわると、首座のまえから堂をめぐる。その間は知客が先導する。ひとめぐりして、もう一度聖僧の前にいくと、そこでもう一度、聖僧に向かって手炉をささげて頭を下げる。その時知客は、僧堂の門際に、礼拝する席の南にあって、面を北にして叉手して立っておる。施主は聖僧を拝しおわると、知客にしたがって僧堂の前に出でるが、そこで僧堂の前をひとめぐりすると、もう一度僧堂の中にいって、もう一度三拝をくりかえす。」(道元:正法眼蔵・看経)
原文「施主、僧堂前にいたりて、焼一片香、拝三拝あり。拝のあひだ、手炉をもちながら拝するなり。拝のあひだ、知客は拝席の北に、おもてをみなみにして、すこし施主にむかひて、叉手してたつ。施主の拝をはりて、施主みぎに転身して、住持人にむかひて、手炉をむささげて曲躬(きょくきゅう)し揖(いつ)す。住持人は椅子にゐながら、経をささげて合掌して揖をうく。施主つぎにきたにむかひて揖す。揖をはりて、首座のまへより巡堂す。巡堂のあひだ、知客さきにひけり。巡堂一帀(そう)して、聖僧前にいたりて、なほ聖僧にむかひて、手炉をささげて揖す。このとき、知客は雲堂の門限のうちに、拝席のみなみに、おもてをきたにして叉手してたてり。施主、揖聖僧をはりて、知客にしたがひて雲堂前にいでて、巡堂前一帀して、なほ雲堂内にいりて、聖僧にむかひて拝三拝す。」(道元:正法眼蔵・看経)

